今更!映画『BLUE GIANT』めっちゃ凄かったよね! 〜次、何聴く?〜
「で、映画は良かったけど、結局ジャズって何を聴けば良いの?」
って人、結構いると思います。
映画を観た方なら分かる人も多いと思いますが、ジャズは情熱の音楽です。
音楽的、技術的にも難しいことをやっているのは、確かですが、そんなことは二の次で良いんですよね。
「なんか、よくわかんないけど、すげー!!」
↑これの連続です
そうはいっても、せっかくジャズに関心があるのに右も左も分からない。。。
これじゃあつまらないので、書き手である私Kajiの独断と偏見でジャズのおすすめを紹介したいと思います。
しかし、残念なお知らせですが、「ジャズの歴史や名盤を体系的に知りたい」という方にはこの記事はお勧めできません。当方専門家でもなんでもなく、ただの音楽好きです。
映画公開に合わせて各種メディアで「ジャズの歴史や名盤」的な特集が組まれてちゃんとした評論家の先生が解説をしているので、気になる方はそちらを参照してください。
あくまでも「あまり役に立たない」がモットーなので好き勝手やらせてもらいますね。
(ちょっとは名盤も触れるけどね)
前置きが長くなりました。
1『BLUE GIANT』サントラ
まずほんとになーんにも知らないけど映画は観て良かった!!という方はサントラを強くお勧めします。
様々なスタイルのジャズがお試し(というには本格派)できる良盤です。
じっくり聴いてみると、また新たなカッコよさを発見するかも。
『BLUE GIANT』は世界的に有名なジャズピアニストの上原ひろみさんが楽曲作成、演奏に携わっており、主人公のテナーサックス宮本大 は馬場智章さん。ドラムは石若駿さんがそれぞれ演奏に参加しています。
「誰それ?」という方もいると思いますが、ジャズに限らず音楽の聴き方が広がるコツとして、演奏者やバックミュージシャンに注目するということがあります。
「〇〇さんはこの曲でも演奏参加していたんだー」
なんてこと、ポップスでも結構ありますよね。
主人公達のバンド「JASS」の楽曲、特に映画のテーマと言える「FIRST NOTE」は中々攻めた楽曲です。
そもそも「JASS」の編成もベース抜きの、ピアノ、ドラム、テナーサックスのトリオ(三人組)というちょっと珍しさがあります。
楽曲も7/8拍子というちょっと珍しいリズムの取り方をするので、スリリングな出来になっていると思います。
2『GIANT STEPS』ジョン・コルトレーン
宮本大と同じテナーサックスを演奏するレジェンド、ジョン・コルトレーン
表題曲でもある『GIANT STEPS』は早いスピードの中で、何度も転調(カラオケのキーを変えるみたいなことです)を繰り返し、その中でコード進行が行われ、さらに高速アドリブソロがあるという鬼曲。
まさにジャズの歴史の中で『大きな一歩』となった作品です。
といってもよく分からないと思うので、楽譜をアニメーションにした動画を紹介します。視覚的に難しいことをやってるのがなんとなく伝わるかと。
ジョン・コルトレーンがジャズ界隈、サックス奏者に与えた影響は計り知れなく、まさに超人です。
映画『BLUE GIANT』でダイが上京するバスの中で聴いてる『Impressions』という曲も元々ジョン・コルトレーンの曲ですね。
↑珍しいコルトレーンのライブ映像です。
この楽曲の音楽的魅力は『GIANT STEPS』とは別のところにあるのですが、長くなるのでまた今度。
(マイルス・デイヴィスというこれまた超人が始めたモードジャズというスタイルに深く関係します)
3『Strasbourg / St. Denis』ロイ・ハーグローヴ
次は少し雰囲気の違うジャズを。トランペットのロイ・ハーグローヴによる曲です。
この曲はドラムのリズムがさっきと違ってポップスみたいですよね。
映画『BLUE GIANT』で玉田が初めてドラムを叩く時、簡単なリズム(4ビート)を叩くように雪祈に指示されるわけですが、この曲を彷彿させます。
その後の成長過程で流れている『The beginning』という曲もこの曲をかなり意識したのでは?
4『Spain』チック・コリア
続いてもまた趣向が変わったジャズを。ピアニストのチック・コリアの『Spain』という曲です。チック・コリアといえば上原ひろみさんと深い関わりがあり、彼女の才能を見出して一躍スターダムに押し上げた師匠的(?)役割の人でもあります。
この曲はアフロ・キューバン・ジャズというキューバにルーツを持つジャズスタイルで、ラテンジャズと呼ばれるラテンアメリカ的なリズムを持ったジャズの一種です。
ジャズにもこんなノリノリなものがあるんですねー
実はこの曲には面白いオマージュソングがあります。
宇多田ヒカルさんによるカバー曲『Hymne a l'amour(愛の讃歌)』です。
聴けば一瞬で分かりますが、伴奏アレンジは先ほどの『Spain』をオマージュしたものになっており
メロディ部分は越路吹雪さんや最近では東京五輪の閉会式でmiletさんが歌ったことで有名な『Hymne a l'amour(愛の讃歌)』が使われています。
いわば二曲のマッシュアップ(合体)のようなカバーです。
5『It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing) 』トニー・ベネット/レディ・ガガ
「あれ?ジャズで歌付きのもあるの?」
そうです。あるんです。
これを歌っているのは大巨匠トニーベネットとまさかのガガ様!
普段と全く異なるジャンルですが、めちゃめちゃハマっています。
なんでも出来るもんなんですね〜
「アレ?この曲どこかで聴いたことあるかも?」という方は、
おそらくコレじゃないですか?
そう、ディズニーシーの人気ショー『ビッグバンドビート』の開幕曲でもあります。
この曲の邦題は『スウィングしなけりゃ意味がない』と言って、先ほどのラテンジャズとは違いスウィングジャズと呼ばれるスタイルです。
まあ一般的はスウィングジャズの方が王道ジャズと呼ばれることも多いので順番がぐちゃぐちゃですが・・・
実は、2番で紹介したジョン・コルトレーンの『GIANT STEPS』『Impressions』も爆速なだけでスウィングジャズのリズムを持っています。
またトニー・ベネット/レディ・ガガ版、ディズニー版ともに、『ビッグバンド』という編成で演奏されています。
『ビッグバンド』はジャズの中では比較的大きな編成で、17~8人くらいいます。
『ビッグバンド』は何もスウィングジャズ専門じゃありません。先ほどのラテンジャズもやります。
アース・ウィンド・ファイアの『September』を日本のラテンジャズバンド『熱帯ジャズ楽団』が演奏したものです。
『熱帯』というだけあってなんかトロピカルな感じしますよね〜
6 その他いろいろ
『ビッグバンド』と似たような大規模編成で『ラージ・アンサンブル・ジャズ』というものがあります。厳密な編成の定義はないと思いますが、ヴァイオリンなどの弦楽器が入ってると『ラージ・アンサンブル』と呼ばれるような気がします。
・狭間美帆
日本の『ラージ・アンサンブル・ジャズ』の第一人者です。
『コンテンポラリージャズ』と呼ばれる現代的なジャズを演奏します。
弦楽器もいるのでちょっとクラシックと親和性があるかも?
・フュージョン、ファンクなど
ジャズの親戚です。ジャズから発展したり、逆輸入したり影響は様々です。
キーボードやエレキギターなど電子楽器が入ってくることが多いです。
こんな感じ。他にもたくさんありますが、とりあえず今日はこの辺で。
まとめ
いわゆる王道のデューク・エリントンやチャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィスなどの功績をガン無視してお届けしましたが、それらはまたじっくり今度。
ここまでついて来てくださった皆さんなら、もうお気づきの通り
「ジャズ」という単語はあまりにもジャンルを括るには大きな単語なんです。
塩・醤油・味噌・とんこつ
といろいろあるけど、全部まとめて「ラーメン」と呼ばれるような感じです。
その中に、家系だったり、二郎系もあるということです。
もしかしたら「ラーメン」ですらなくジャズは「麺類」くらいの括りの大きさなのかもしれませんしね。
それだけ多種多様。でも大きく二つの要素の掛け合わせで出来ているかなと思います。
編成×ジャンル
ただそんなことはどうでもよくて、それを足がかりに素晴らしい曲に出会うことの方がはるかに大切です。
他にも無限に色々あって一回じゃとても紹介しきれないので、また小出しにします。
おしまい。
(この原稿途中まで書いて、下書きなぜか全部消えたので2稿目です。まだ勝手がよくわかんないな・・・)
ブログ始めました
タイトルの通りです。
『あまり役に立たないブログ』始めました。
自分が好きな音楽や映画、アニメについて好き勝手ダラダラと話す記事がメインになると思います。そのため信憑性ゼロ、説得力も乏しいです。
世界のどこかにいるかもしれない似たような趣味の人のために発信します。
実際にどんな作品を取り扱うかは見てのお楽しみ。
おそらく不定期更新です。
初回となる次回は
完全出遅れ今更語る映画『BLUE GIANT』とジャズの色々について。
あ、書き手はKajiと言います。みなさんよろしく。